春は

このブログをご覧になっている方の中には、闘病中の方もいるだろう。大切な人や動物を亡くされた方もいるだろう。
春は、始まりの季節だと言われる。草花や木々が芽吹き、小動物たちも活動を始める命溢れる季節、つまり未来へ向かう流れを予感させるのだ。けれど、治癒の難しい病と共に生きている方や、大切な人・動物を亡くして間もない方は、別な感覚になると思う。
 
来年もこの桜を見られるだろうか。春風を感じることができるだろうか。様々な命のむせ返るような勢いに圧倒される・・・。
 
あの人と一緒にいつも歩いた道に、今年も水仙が咲いた。なのに、あの人だけ、いない。水仙の花びらには触れられるのに、あの人には触れることができない・・・。
 
春という季節の中で、人は過去の記憶や感覚をより一層強く思い出すのではないだろうか。
芽吹きに、元気だった頃の過去の自分を見、切なくなる。
元気だった頃のあの人の記憶が鮮やかに立ち上がり、涙が流れる。
いっせいに動き出す生命の力が、輝いていた過去を鮮やかに甦らせるのだ。
 
春には、未来へ向かう時間と過去へ向かう時間とが、等しく在る。